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《春遠からじ》
雪がうっすら。 まだまだ「春遠し」でしたね。 10日から10日間、銀座のギャラリー惣での個展も無事終了しました。 いつものことだけど、年明け早々だし、人は来ないよなーと、 暇つぶしの本を持ち込んで臨みました。 でも連日、懐かしい顔、新鮮な顔、有り難い顔、多くの方に足を運んで頂き、 心よりお礼申し上げます。 久しぶりに何度か飲みに行ったりして、ちょっと元気です。 昨日。 丸ノ内線、新宿駅で車両から一番に降りてきたザコバネおばさんにびっくり。 ザコバネはポーランド、クラクフの山間部の小さな集落。 街の市場の露天にチーズを出すために山から下りてくるのです。 頭をチーフで覆い、まあるいマトリョーシカさながら。 ロシアの方かもしれなかったけど、ちょっと懐かしくどきっとしました。 彼女の目には東京ってどんな風に映っているのかしら、と。 ジンドブリー、パヌーて、挨拶しそうだった。 東京って。 偶然前の日、テレビでポーランドの大衆食堂であるミルクバーのふたりの 女主人のドキュメンタリーを見ました。 仕入れ値の計算に頭を悩ませながら、ふたりのマトリョーシカが喧嘩したり 動物園に行ったり、淡々と日常が流れていく。 淡々。 食堂の一番人気はピエロギでした。 これは見た目はギョウザみたいで、中にチーズやハムや甘いものが入っている庶民の味。 ポーランド語も、くすんだ街の色も、ピエロギも、 ちなみに、ポーランド料理はとんかつとぎょうざです、ほんと。 ふとっちょおばさんもちょっと懐かしかったなあ。 今回の個展は版画でなく絵を見ていただきました。 表現の手段が違うだけで、ぱっと見は版画とあまり変わらなく見えたと思います。 でも、やはりというか、やってみてわかったことがたくさんありました。 迷いのなかに、小さな出発と感謝。 雪にくる夏、夢を見て。
by water-yo
| 2012-01-20 20:34
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